種井(読み)タナイ

デジタル大辞泉 「種井」の意味・読み・例文・類語

たな‐い〔‐ゐ〕【種井】

苗代にまく籾種もみだねを浸すのに使う井戸、または池。たないけ。たねい。 春》ふつふつと泡の出て来る―かな/子規

たね‐い〔‐ゐ〕【種井】

たない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「種井」の意味・読み・例文・類語

たな‐い‥ゐ【種井】

  1. 〘 名詞 〙 春、苗代を作るとき、発芽を促すために稲の籾種(もみだね)を浸すのに使用する小さな池。一説に、「田な井」で、田の中にある井戸とも。たねい。たないけ。たないど。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「我かためはたなゐの清水ぬるけれど猶かきやらんさては澄むやと〈藤原実方〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)恋一・六七〇)

たね‐い‥ゐ【種井】

  1. 〘 名詞 〙 発芽を促すために種籾を浸す池。たない。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「種井をば朝日夕日の能さして 渋なき水をかねてもちひよ」(出典:百姓伝記(1673‐81頃)八)
    2. 「うちこみて置どもすめる種井哉〈岩翁〉」(出典:俳諧・俳林一字幽蘭集(1692)中)

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