ふつふつ(読み)フツフツ

デジタル大辞泉 「ふつふつ」の意味・読み・例文・類語

ふつ‐ふつ

[副]
勢いよく細い物を切る音や、そのさまを表す語。
荒巻の縄を―と押し切りて」〈今昔・二八・三〇〉
思い切りよくやめるさま。きっぱり。
「かるたわざ―とやめ給へ」〈咄・鹿の巻筆・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ふつふつ」の意味・読み・例文・類語

ふつ‐ふつ

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. 縄や糸など細い物を勢いよく断ち切る音、また、そのさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「一の車のとこしばりをふつふつと切りてければ」(出典:落窪物語(10C後)二)
  3. 鳥などが勢いよく飛び立つ音、また、そのさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「ふつふつ飛びて帰るを見れば鴛の雌なりけり」(出典:梵舜本沙石集(1283)七)
  4. ふっつり
    1. [初出の実例]「かるたわざ、ふつふつとやめ給へ」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)一)
  5. 前後脈絡がなく事が起こるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「竒兵とは定たせいではなうてうきせいぞ。どこへもふつふつと行くせい也」(出典:史記抄(1477)一二)
  6. ぶつぶつ[ 一 ]
    1. [初出の実例]「譬喩品の偈を口の中にふつふつと唱へ唱へ」(出典:二日物語(1892‐1901)〈幸田露伴〉此一日)

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