20世紀日本人名事典 「稲垣達郎」の解説
稲垣 達郎
イナガキ タツロウ
昭和期の評論家 早稲田大学名誉教授;日本近代文学館常務理事。
- 生年
- 明治34(1901)年10月21日
- 没年
- 昭和61(1986)年8月13日
- 出生地
- 福井県敦賀市
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学国文学科〔昭和2年〕卒
- 学位〔年〕
- 文学博士〔昭和34年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 読売文学賞(第34回・研究翻訳賞)〔昭和57年〕「稲垣達郎学芸文集」,物集索引賞(第4回)〔平成2年〕「明治文学全集 別巻・総索引」
- 経歴
- 早稲田高等学院臨時講師となり、昭和10年に専任、19年早大文学部講師となり、23年助教授、24年教授に就任。34年「鷗外の歴史小説」で早大から学位を受ける。47年停年退職となり、名誉教授に就任。以後、大東文化大学教授を務めた。大正14年「行路」を、翌年「黒生」を創刊し小説などを発表し、一方「槻の木」の創刊に参加。またプロレタリア演劇にも参加。昭和10年頃から日本近代文学の研究に専念した。著書に「作家の肖像」(昭16)をはじめ「夏目漱石」「近代日本文学の風貌」「角鹿の蟹」「松前の風」「森鷗外の歴史小説」があり、57年刊行の「稲垣達郎学芸文集」(全3巻 筑摩書房)で読売文学賞を受賞した。また日本近代文学館創立以来、常務理事として活躍した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報