朝日日本歴史人物事典 「稲葉正明」の解説
稲葉正明
生年:享保8(1723)
江戸中期の幕臣。老中田沼意次の政権を,将軍側近として支えた江戸幕府の御用取次。幼名留之助のち越中守,越前守。父は山城国(京都府)淀藩主正親。稲葉正福(実は次兄)の養子となり分家を継ぐ。西丸小性,本丸小姓から小姓組番頭格,御用取次見習を経て,宝暦5(1755)年側衆,御用取次となる。田沼意次に次ぐ側用人大岡忠光の有力な後継者となる。加増を重ねて大名に列し,1万3000石を領した。天明6(1786)年田沼と同時に失脚し,加増分のうち3000石を削られ,家格を落とされ,出仕を止められたが,間もなく許された。寛政1(1789)年致仕した。
(山田忠雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報