ブレイク(読み)ぶれいく(その他表記)William Blake

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブレイク」の意味・わかりやすい解説

ブレイク(William Blake)
ぶれいく
William Blake
(1757―1827)

イギリスの詩人、画家。11月28日、ロンドンの貧しい靴下商の三男として生まれる。正規の学校教育はほとんど受けなかったが、早くから特異な画才を示し、時代の好尚に流されない独自の鑑識をもってミケランジェロデューラー版画真価を見抜いていた。1772年、ロンドンのさる彫版師のもとに弟子入りし、7年後には彫版師として細々ながら生計をたてるようになった。生涯のほとんどをロンドンで過ごし、E・ヤング、T・グレーらの詩集や、ダンテ、「ヨブ記」などの挿絵を彫版して収入を得ながら、自作の詩を特殊な浮彫り銅版で印刷された版画の一枚一枚に手書きで彩色してとじ合わせた手作りの詩画集として出版した。これは本の歴史上、空前絶後のことで、『時祷(じとう)集』などの彩飾写本や絵入り童謡集とも違うブレイクの原本はたいへんな稀覯(きこう)本となっている。

 1782年、キャサリンCatherine Sophia Blake(1762―1831)と結婚。彼女は終生ブレイクにとって理想的な妻であり、有能な助手であった。1783年、友人の彫刻家フラックスマンの援助によって処女詩集『詩的スケッチ集』(活字本)を出版。1787年には最愛の弟ロバートRobert Blake(1762/1767―1787)が死んだが、弟の霊に教えられた彩色浮彫り腐刻画の方法により、1789年、『無垢(むく)の歌』と『セルの書』を出版した。後者は125行ほどの長詩で、のちに「預言書」と総称される作品群の先駆となった。このころから創作期に入り、『天国と地獄との結婚』(1790~1793)、『経験の歌』(1794)が刻まれた。前者は神秘家スウェーデンボリの正反調和説を批判的に止揚したもので、序詩散文からなり、とくに『地獄の諺(ことわざ)』のアフォリズムは、一句一句が人間と文明の本質に対する詩人の底知れぬ洞察を示す、凝縮された表現となっている。さらに、神話的叙事詩の形をとった「預言書」群が、『アルビオンの娘らの幻想』(1793)、『アメリカ』(1793)、『アハーニアの書』(1795)、『ロスの書』(1795)、『ベイラ』(1797~1804年。後年『四つの活物(ゾア)』と改題改版したが未完)、『ミルトン』(1804~1808)、『エルサレム』(1804~1820)と彫版されるが、ことに最後の3作は量・質ともに代表的傑作でありながら、難解なために彼の在世中はほとんど理解されることがなかった。しかし、19世紀末から20世紀初めにかけてイェーツらが「預言書」の神話的構図とそのメッセージの重大さを認識して以来、彼の詩的世界の全体像が明らかになってきた。「一粒の砂に世界を/一輪の野の花に天国を見、/おのが掌(たなごころ)に無限を/ひと時のうちに永遠をつかむ」(「無垢の予兆」)彼の想像力は、西欧17世紀の「感性の分裂」の結果である近代に対して、人間の総体性の十全な発現を意味しており、単なるユダヤ的神秘家の幻視ではない。絵画作品も繊細で優美な描線によって、独自の幻想性と装飾性に満ちたものであり、自作展覧会の『解説目録』(1809)は彼の思想を知るうえで重要である。1827年8月12日、ロンドンで没。

[土岐恒二]

『土居光知訳『世界名詩集大成9 無心の歌・天国と地獄との結婚・経験の歌』(1959・平凡社)』『寿岳文章訳『ブレイク詩集』(1968・弥生書房)』『梅津済美訳『ブレイクの手紙』(1970・八潮出版社)』『岡本謙次郎解説『ブレイク 版画と水彩』(1972・岩崎美術社)』『潮江宏三編著『世界の素描14 ブレイク』(1978・講談社)』


ブレイク(Robert Blake)
ぶれいく

ブレーク

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デジタル大辞泉プラス 「ブレイク」の解説

ブレイク

ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズで使用される呪文。敵を石化させる。同様の呪文は「ブレクガ」など。

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