空隙歯列弓(読み)くうげきしれつきゅう(英語表記)Spaced dental arch

六訂版 家庭医学大全科 「空隙歯列弓」の解説

空隙歯列弓
くうげきしれつきゅう
Spaced dental arch
(歯と歯肉の病気)

どんな病気か

 歯と歯の間にすきまがある歯列弓をいいます(図7)。

原因は何か

 歯とあごの大きさの不調和がある場合(あごの過成長によるもの、歯の大きさが小さいもの)や、歯の数に異常がある場合(歯の欠損埋伏歯(まいふくし)など)などに生じます。また、舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)などの習癖、舌が大きい、舌の位置が低位、口輪筋(こうりんきん)弛緩など歯列弓を取り囲む口腔周囲筋に何らかの不調和が認められると生じることもあります。

症状の現れ方

 乳歯列期の空隙歯列は正常です。とくに前歯はあとから生える永久歯のほうが大きいため、自然にすきまはなくなります。永久歯列になってもすきまがある場合、よく噛めなかったり、発音支障が生じることがあります。

治療の方法

 一般的に乳歯列期の空隙歯列は正常なので、歯科矯正治療の必要はありません。

 永久歯列期になってもすきまが閉じない場合は、すきまを閉じる歯科矯正治療を行います。歯の幅が小さい歯(矮小歯(わいしょうし))があったり、歯の数が足りない場合は、歯科矯正治療だけでなく、人工の歯をかぶせたり、欠如歯を補う治療(補綴(ほてつ)治療)を組み合わせて行う場合もあります。舌の運動や機能異常によりすきまがみられる場合は、筋機能療法によって癖の改善を図ったり、タングクリブといった舌の突出を抑える装置を装着して治療を行うこともあります。また、舌が大きい場合にはごくまれにですが、舌縮小術といった外科的な治療を併用する場合もあります。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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