日本大百科全書(ニッポニカ) 「埋伏歯」の意味・わかりやすい解説
埋伏歯
まいふくし
歯の萌出(ほうしゅつ)異常の一形態で、歯が萌出すべき標準の時期を過ぎても、口腔(こうくう)に完全に萌出しない状態をいう。永久歯では下顎智歯(かがくちし)(親知らず)および上顎犬歯にもっとも多く、過剰歯にもみられる。乳歯では永久歯よりはまれであるが、比較的乳臼歯(きゅうし)に多い。継発症のない場合は放置しておいてもよいが、三叉(さんさ)神経痛、濾胞(ろほう)性歯嚢(しのう)胞(埋伏歯の歯冠の周囲にできる嚢胞)、埋伏歯周囲組織の炎症、褥瘡(じょくそう)性潰瘍(かいよう)(皮膚や粘膜の特定の部分に、長期間物理的な力が作用してできる潰瘍)、歯列異常等の継発症のある場合は抜歯を行う。
[矢﨑正之]
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