突厥語(読み)とっけつご(その他表記)Tū jué yǔ

関連語 垣内 名詞

改訂新版 世界大百科事典 「突厥語」の意味・わかりやすい解説

突厥語 (とっくつご)
Tū jué yǔ

突厥時代に建置された突厥碑文やウイグル帝国時代の碑文,さらにはエニセイ川流域のエニセイ碑文などに突厥文字を用いて刻まれたチュルク語のことを一般に突厥語と呼んでいる。これらの碑文は,チュルク諸語文献中最古のもので,突厥語は古代チュルク語の主要な部分を構成している。突厥語は,言語資料としては量の多いものではないが,チュルク語史やアルタイ語比較研究にとってはきわめて重要な役割を果たす。しかし,文字体系上,理解の難しい部分もあって,まだ十分な言語学的記述はできていない。現代チュルク諸語の中では中央アジアに位置する(新)ウイグル語ウズベク語キルギス語などと近親関係にあるといえる。突厥語を表記した主要な碑文がオルホン川旧流域に建置されていたことから,この言語をオルホン・チュルク語とも呼ぶ。また,単に碑文チュルク語や,ルーン文字チュルク語と呼ぶこともある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「突厥語」の意味・わかりやすい解説

突厥語
とっけつご
Tújué language

古期チュルク諸語一つ。古オグズ語ともいう。最古のチュルク語資料であるオルホン碑文エニセイ碑文(8世紀)によって知られる言語。突厥文字で書かれている。現代チュルク諸語に比べ /*b-/ ,/*ç/ を保存しているなどの古い特徴も有するが,必ずしもすべての点でほかの諸言語より古いとはいえない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android