(読み)たしなみ

精選版 日本国語大辞典 「窘」の意味・読み・例文・類語

たしなみ【窘】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「たしなむ(窘)」の連用形名詞化 ) 苦しむこと。苦しみ。困窮。困厄。
    1. [初出の実例]「身を全くして厄(タシナミ)を免れむ」(出典日本書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓))

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普及版 字通 「窘」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音] キン
[字訓] くるしむ・せまる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は君(くん)。〔説文〕七下に「るなり」とするが、〔詩、小雅、正月〕「陰雨に窘(くる)しむ」とある例が古い。君は(きん)を麕にも作るようにと声義が通じ、群集の意があり、窘は穴中の狭隘にくるしむことをいう。

[訓義]
1. くるしむ、せまくてきわまる。
2. せまる、つまる、おしこむ。
3. 時間的に緊急のことをいう。あわただしい。
4. くるしんでしびれる。

[古辞書の訓]
名義抄〕窘 コモル・フサグ・タシナム・セム・シメヨル・キハマヌ(ル) 〔字鏡集〕窘 シム・ヨス・オボツカナシ・コモル・キハマル・イソグ・タシナム・タノシム・フサグ・セム

[語系]
窘・群・giunは同声。は〔説文〕七下に「群居なり」とみえ、君声の字に群・の意がある。

[熟語]
窘雨窘匱・窘急・窘窮・窘局・窘窘竭窘惶窘困窘蹙・窘色窘辱・窘然窘束・窘促窘滞窘迫窘弊・窘歩窘乏窘厄・窘路
[下接語]
寒窘艱窘・危窘・窮窘・拘窘・勢窘・逐窘・煩窘・陵窘

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