改訂新版 世界大百科事典 「キンケイ」の意味・わかりやすい解説
キンケイ (金鶏)
golden pheasant
Chrysolophus pictus
キジ目キジ科の鳥。飼鳥としてよく知られている。全長は雄約105cm,雌約66cm。野生のものは,中国南西部の海抜900~1300mの山地の森林に留鳥として生息する。地上で生活し,木の実や草の種子,小動物などを食べる。雄は頭部と下背から腰にかけての羽毛が黄金色で美しく,キンケイの名まえがついた。背は緑色,尾は褐色,腹面は光沢のある深紅色。尾は長く(約75cm),足にはけづめがある。雌の羽色はじみで,全体黄褐色の地に黒褐色斑がある。1腹の卵数は5~12個で,色はクリーム色。22日抱卵する。近縁のギンケイ(銀鶏)C.amherstiaeは尾はキンケイよりさらに長い。中国南西部の山岳地帯に分布し,飼鳥としても著名である。キンケイとギンケイとの間には容易に雑種ができる。また,キンケイは飼育下で羽色の異なるノドグロキンケイ,キイロキンケイ,チャイロキンケイ,シナモンキンケイなどの変異種がつくられている。一方,キンケイとキジとの雑種はテンケイと呼ばれる。いずれも美しく繁殖も容易なので動物園や公園などで飼われている。
執筆者:柿沢 亮三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報