やつ・す【俏・窶】
- 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
- ① みすぼらしいようにする。目立たないように姿などを変える。
- [初出の実例]「故(ことさら)に形を費(ヤツシ)、身心をば一切の人の下に作し」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
- ② そのことにうち込んで、やせるほどに思い悩む。心身を砕く。
- [初出の実例]「されば又命のほども知れたるに叶ぬ恋に身をぞやつせる」(出典:桜井基佐集(1509頃)恋)
- ③ 剃髪(ていはつ)する。出家する。
- [初出の実例]「尼になれる人有りけり。かたちをやつしたれど、物やゆかしかりけむ」(出典:伊勢物語(10C前)一〇四)
- ④ 物事を省略する。簡略にする。また、きちんとしたものをくずす。略す。〔邇言便蒙抄(1682)〕
- ⑤ 行儀をくずす。うちとけた様子にする。
- [初出の実例]「すこしりゃくしだてに御やつしなされ候はば」(出典:評判記・難野郎ふるたたみ(1666頃)玉むら吉彌)
- ⑥ ある物に似せて作る。まねて作る。また、もじったり、当世化、パロディー化したりする。
- [初出の実例]「玄宗の花軍(はないくさ)をやつし、扇軍とてあまたの美女を左右に分て」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)三)
- ⑦ 容姿をつくる。化粧する。めかす。しゃれる。
- [初出の実例]「『きみけいせいとやつしいすが、心のうちはこれみなんし』としろむくの間にかけたる五条げさ」(出典:洒落本・契情買虎之巻(1778)二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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