ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「立体規則性重合体」の意味・わかりやすい解説 立体規則性重合体りったいきそくせいじゅうごうたいstereoregular polymer ビニル化合物 ( CH2=CHR ) を重合して得られる重合体では,重合の際になんの制限もないと,(a) に示すように置換基Rが主鎖に対して種々の不規則な方向に存在する (このような重合体をアタクチック重合体という) 。これに対して,(b) あるいは (c) に示すように,置換基Rが規則正しく配列している重合体を立体規則性重合体といい,置換基Rが一方向にあるもの (b) をアイソタクチック重合体,交互に反対側にあるもの (c) をシンジオタクチック重合体という。アイソタクチック重合体はプロピレンにみられるように配位重合で,シンジオタクチック重合体は低温でのラジカル重合やイオン重合でも生成される。立体規則性重合体は一般に結晶化しやすく,不規則なアタクチック重合体に比して融点が高く,機械的強度が大きく,物性が著しく異なる。アタクチックなポリプロピレンは粘いワックス状であるのに対し,アイソタクチックなポリプロピレンはプラスチックやフィルムとして使用される。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by