日本大百科全書(ニッポニカ) 「配位重合」の意味・わかりやすい解説
配位重合
はいいじゅうごう
coordinated polymerization
重合反応の一形式。重合しうる単量体化合物のある種のものに、アルミニウムや亜鉛の有機金属化合物を加えると、容易に重合して分子量で数百万にも達する重合体(ポリマー)となる。この重合は初め単量体(モノマー)に金属イオンが配位して活性化され、これに対して単量体が攻撃してくる。たとえばプロピレンオキシドのジエチル亜鉛‐水系触媒による配位重合は有名である。
[垣内 弘]
配位アニオン重合
立体規則性ポリマーの製造法として知られている重合法である。ツィーグラー‐ナッタ触媒を用いた重合は、成長しつつあるポリマー鎖の末端が、金属触媒に配位しながら成長し、しかもその成長末端がアニオン(陰イオン)的なので配位アニオン重合coordinated anionic polymerizationという。この重合の特徴は、成長反応が制御されて生成した高分子の立体構造が厳しく規制されることにある。
[垣内 弘]