日本大百科全書(ニッポニカ) 「リシノール酸」の意味・わかりやすい解説
リシノール酸
りしのーるさん
ricinolic acid
不飽和ヒドロキシカルボン酸の一つ。リシノレイン酸ricinoleic acidともよばれる。12-ヒドロキシ-9-cis(シス)-オクタデセン酸の構造をもつ。
グリセリドとしてひまし油中に存在するので、ひまし油をけん化して得られる混合脂肪酸をアセトンに溶かして、分別結晶を行うと得られる。
常温では無色の油状液体で、エタノール(エチルアルコール)、エーテル、クロロホルムによく溶ける。塗料、印刷インキ、潤滑油、化粧品、ドライクリーニング用のせっけんを製造する原料となる。このほかに、ひまし油は下剤、軟膏(なんこう)基材として薬用に供されている。
[廣田 穰 2016年11月18日]