竜松山城跡(読み)りゆうしようやましろあと

日本歴史地名大系 「竜松山城跡」の解説

竜松山城跡
りゆうしようやましろあと

[現在地名]上富田町市ノ瀬

富田川の右岸、竜松山(一二四メートル)山頂にある。熊野街道中辺路の要所で、背後は峰伝いに潮見しおみ(現中辺路町)を経て熊野連峰に続き、前面にはいち集落耕地、富田川下流一円が展開する。城名は往時二の丸にあった臥竜に似た巨大な老松に由来するという(興禅寺蔵文書)。山本氏の構築で、天文年間(一五三二―五五)といわれるが明確でない。山本氏は南北朝時代にはこの地に土着しており、応永三四年(一四二七)住心院僧正実意の記した「熊野詣日記」によると、九月二五日三鍋みなべ(現日高郡南部町)一行を迎え、同二六日いちで昼食所を準備している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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