竜王寺(読み)りゆうおうじ

日本歴史地名大系 「竜王寺」の解説

竜王寺
りゆうおうじ

[現在地名]竜王町川守

川守かわもり集落の北東、雪野ゆきの山の南西麓に位置する。雪野山と号し、天台宗本尊薬師如来。境内に遺構が残る雪野寺を継承する寺院とされ、寺伝では平安時代の中頃、一条天皇の時代に現寺名に改めたとされる。また古くは単に寺と号したといわれ、寺蔵の各奉加帳にも「蒲生郡野寺」とあることから、「日本紀略」延暦一五年(七九六)一一月一四日条の「始用新銭、奉伊勢賀茂松尾社、施七大寺及野寺」、同書天長五年(八二八)六月二三日条の「雷鳴雨降、山崩水溢、清行僧卅人於野寺」などにみえる野寺や、慈円の詠じた「有明の月のゆくへをながめてぞ野寺の鐘は聞くべかりける」(新古今集)の野寺を当寺のこととする説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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