奉加帳(読み)ホウガチョウ

デジタル大辞泉 「奉加帳」の意味・読み・例文・類語

ほうが‐ちょう〔‐チヤウ〕【奉加帳】

勧進に応じて奉加する金品目録や寄進者の氏名を記入する帳面寄進帳
寄付を求めるときに回して、金額と氏名を記入する帳面。

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精選版 日本国語大辞典 「奉加帳」の意味・読み・例文・類語

ほうが‐ちょう‥チャウ【奉加帳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神仏に奉加する金品の目録や寄進者の氏名などを記した帳簿
    1. [初出の実例]「仍捧奉加帳」(出典高野山文書‐承安四年(1174)一二月日・高野山住僧等愁状案)
    2. 「ひてん院のくわんしんほうかちやうつかわさるる」(出典:御湯殿上日記‐文明一五年(1483)二月九日)
  3. 転じて、一般の寄付金名簿。
    1. [初出の実例]「河口庄金津道場作事奉伽帳加判了」(出典:大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)五月一日)

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改訂新版 世界大百科事典 「奉加帳」の意味・わかりやすい解説

奉加帳 (ほうがちょう)

社寺橋梁造営,修復などのために,願主の呼びかけに応じて財物を寄進した人の名や寄進物の品名,量を記した帳面。寄進帳ともいう。財物募集の趣意書勧進帳といい,この趣旨に応じて奉加した者は,個人や講などの集団,また超宗派,超地域的になされることが多い。平安時代に奉加の語が文献にみられ,中近世に広く一般化した。近世村落の奉加帳には,元服した者や新婚の者が名を連ねる例もある。奉加の財物には木,竹,縄,わら,石,瓦などの資材,砂金,金銀銭,米,絹,綿などの資金やそれに代わるもの,提灯のぼり,扁額,鐘,灯籠絵馬や馬,刀剣など社寺の荘厳品,また単に夫役(ぶやく)のみの場合もある。奉加の背景には治病,招福,往生を願う貴庶の神仏信仰がある。
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百科事典マイペディア 「奉加帳」の意味・わかりやすい解説

奉加帳【ほうがちょう】

神社仏寺の勧進(かんじん)に応じて金品を寄進する者が,金品の量および氏名を書いて提出する文書。単独の場合は奉加状ともいい,寄進状に似る。普通は財物募集の趣意書である勧進帳の後に付けた帳面で,身分・金額の高低により紙面の大小があり,庶民は1行に書いた。現存最古のものは,醍醐寺文書のうち1262年の日付のあるもの。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奉加帳」の意味・わかりやすい解説

奉加帳
ほうがちょう

寺社の造営,修理などのために財物を寄進するに際し,寄進する財物の目録や寄進者の住所,氏名を記入する帳面。寄進帳,勧進帳ともいう。転じて一般の寄付の場合の帳面をもいう。

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世界大百科事典(旧版)内の奉加帳の言及

【勧進帳】より

…彼はこの勧進文を一輪車の右に貼り,左には後白河法皇の〈一粒半銭といへども,寸鉄尺木といへども,これを施す者は,世々生々在々所々,必ず妙力に依りて,長く景福を保つ云々〉という詔書を貼り,諸国を歴訪した。勧進帳とは別に,結縁(けちえん)者の名前のみを記した交名帳,寄進者の名前,金品名,数量などを記した奉加帳(寄進帳・祠堂帳)もあり,仏像胎内から発見された例(滋賀県信楽町玉桂寺)もある。【赤田 光男】。…

※「奉加帳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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