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竪紙 たてがみ

世界大百科事典 第2版の解説

たてがみ【竪紙】

本来は横紙に対する言葉である。和紙は横長の漉桁(すきげた)ですくから,横長のまま用いると,すき目が竪になっている。これが竪紙で,逆に縦長に用いると,すき目が横になり横紙となる。横紙使い横紙破りという言葉はこれにもとづく。したがって和紙をすき目に従って自然な形で,すなわち横長の一紙のままで使用するのが竪紙である。それに文字を書いた場合が竪文である。古文書学上,竪紙を折った折紙,また竪紙を切った切紙に対する言葉として説明されるが,それは竪紙がもっとも自然な,したがって正式な使い方であるということを前提にしている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

竪紙
たてがみ

古文書学上の用語。普通の規格の和紙を横長のまま使用した場合をいう。これに対して、この竪紙を横に二つ折りにした場合が折紙(おりがみ)で、竪紙に対して略式、薄礼である。また竪紙を適当に切った場合を切紙(きりがみ)という。これがいずれの古文書学の概説書にもみられる説明であるが、これだけでは横長の紙をなぜ竪紙というかの説明がなされていない。本来は竪紙は横紙に対することばであって、和紙は横長の漉(す)き桁(げた)で漉くから、横長のままで使用すると、漉き目が竪に通っている。これが竪紙なのである。もし竪長に使用すると、すき目は横になり横紙となる。漉き目に沿って裂くのは容易だが、逆にすれば裂けにくい。横紙破りということばのおこりはここにある。すなわち漉き目に対して紙を竪に使うか横に使うかによって竪紙・横紙の区別が行われるので、折紙・切紙に対する竪紙というのは二次的な使い方である。[上島 有]

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世界大百科事典内の竪紙の言及

【折紙】より

…古文書の料紙の形状。ふつうの横長の1枚の文書の料紙を竪紙(たてがみ)といい,それを横に半分に折ったのが折紙である。折紙に文字を書く場合は,つねに折目を下にして書く。…

【手紙】より

…ヨーロッパでは敬意や親しさを表すためには自筆または銅版印刷が好まれ,タイプは略式と考えられるなど,用紙,インクの色,書式など,文化圏によって風習が異なるので,実際に当たってはよく調べる必要がある。【松原 秀一】
〔手紙の形状〕
竪紙(たてがみ)全紙を横長にひろげ,天地,袖,奥(横の両端)に余白を残す。正式には礼紙(らいし)と呼ぶ白紙を1枚そえる。…

【料紙】より

…ミツマタを材料とする三椏紙は,江戸時代中ごろには生産されるようになったが,文書,典籍等の料紙としてはほとんど用いられていない。 普通の横長の一枚の料紙を竪紙(たてがみ)といい,それを横に二つ折にして天地を背中合せにしたものを折紙,縦に二つ折にして左右を背中合せにしたものを竪(縦)折紙といい,竪紙を縦や横に適当に裁断したものが切紙である。竪紙一紙で書ききれない場合には,これを2枚,3枚と糊ではりついだものを用いる。…

※「竪紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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