朝日日本歴史人物事典 「竹柴其水」の解説
竹柴其水
生年:弘化4(1847)
歌舞伎狂言作者。本名岡田新蔵。幼名駒沢鏡之助。前名熨斗進蔵また進三。江戸の大工の子。京橋の材木商岡田某の養子となる。はじめ,12代目守田勘弥宅に寄宿,3代目桜田治助の門人となって守田座のために作品を書いた。そののち河竹黙阿弥に入門し,明治17(1884)年には新富座の立作者となり,20年には黙阿弥の俳名を贈られ其水と名乗る。その後,明治座の立作者となり,主として初代市川左団次のために作品を書いた。「神明恵和合取組」(「め組の喧嘩」),「那智滝祈誓文覚」などが代表作。珍しい趣向をこらした技巧的な作風であった。<参考文献>河竹繁俊『河竹黙阿弥』
(諏訪春雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報