答志村(読み)とうしむら

日本歴史地名大系 「答志村」の解説

答志村
とうしむら

[現在地名]鳥羽市答志町

答志島の東北部を占め、西南部は桃取ももとり村である。村を構成する集落は東岸の答志とその南岸の和具わぐで、東方海上には大中山おおなかやま島・大築海おつくみ島・小築海こつくみ島が付属する。和具周辺や海辺近くの山地に縄文後期の土器片や土師器須恵器および石錘石匙・石斧などが出土している。岩屋いわやはら古墳は標高一三一メートル余の山頂部にあり、答志では最大の円墳で径一七メートル、高さ二・二メートルで横穴式石室がある。「和名抄」の答志郷と考えられ、和銅五年(六九一)四月二〇日とみられる平城宮出土木簡に「志摩国志摩郡手里戸主大伴部□人」と、「手」と記される。「万葉集」(巻一)には、伊勢行幸のあったとき京にいた柿本人麻呂の詠んだ

<資料は省略されています>

という歌がみえる。「続日本後紀」の承和七年(八四〇)一一月一六日の条に「以志摩国答志島无位常康親王」とあり、永万元年(一一六五)七月八日付の志摩国答志嶋御贄送状(勧修寺本永昌記裏文書)に御贄として大束蚫・蒸蚫・大布苔・心太などを進上したことを記しており、古く贄の貢納地であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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