米浦(読み)こめのうら

日本歴史地名大系 「米浦」の解説

米浦
こめのうら

[現在地名]越前町こめ

干飯かれい崎を境に、南方断層海岸の典型といわれる敦賀断層海岸、北方越前海岸最大の海岸段丘が発達する。この両地形の接点に位置し、東は、つづら折りの急な坂道を経て六呂師ろくろし村、北は高佐たかさ浦。高佐浦とは漁場をめぐって争論があり、慶長六年(一六〇一)四月一日の漁場争いの言上書(玉村家文書)には「米之浦と高佐浦と両浦のさかいニハ庄さかいと申大なるかべ岩御座候、此岩の南ひらハ米之浦分北ひらハ高佐浦分ニ而御座候」とある。

古くは干飯浦とよばれ、建暦二年(一二一二)九月日付越前気比宮政所作田所当米等注進状(越前気比宮社伝旧記)に「浦々并気比庄莇野別役物等」として干飯浦は「苔五合正月進、若和布五合三月進、和布七十帖五月進、丸塩百三十果五月進、四十五櫃五合納各四十五、六月進、甘鮨桶五口八月進、大鮨桶二口十月進」とあり、気比けひ(現敦賀市)への貢納品が記される。なお当時の干飯浦は天保郷帳段階の米浦・高佐浦・六呂師村・牛房平ごぼうがだいら村、河野こうの(現南条郡河野村)等を含む地域と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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