粉青沙器(読み)ふんせいさき

百科事典マイペディア 「粉青沙器」の意味・わかりやすい解説

粉青沙器【ふんせいさき】

朝鮮陶磁における用語で,〈粉粧灰青沙器〉の略称陶器有色素地に白化粧が施されている技法,作品をいう。白化粧の上に印花文,掻落し,鉄絵象嵌(ぞうがん)など,多様な装飾がなされている作品が多い。朝鮮王朝時代(李朝)の14世紀末から16世紀末までおよそ200年間,朝鮮半島各地で作られていた。日本では江戸時代より茶人たちに〈三島〉と称されてきたやきもの。
→関連項目鶏竜山窯

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改訂新版 世界大百科事典 「粉青沙器」の意味・わかりやすい解説

粉青沙器 (ふんせいしゃき)

三島(みしま)(陶磁器

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世界大百科事典(旧版)内の粉青沙器の言及

【陶磁器】より

…また辰砂は中国のいわゆる釉裏紅と同じ技法である。 李朝においては,もっぱら白磁が宮廷の什器として用いられ,その生産は厳しく監督されたが,一方民間では,粉青沙器という白釉陶が発達した。粉青沙器は高麗青磁の伝統を受けて生まれたものであり,初期においては白化粧した器に青磁釉をかけたものを焼造していた。…

【三島】より

…利休の茶会に三島茶碗を使った記録があるから,桃山時代以降の呼び名であろう。近年韓国では,この一群を〈粉粧灰青沙器〉,略して粉青沙器とよぶ。灰色の素地に印花文を施し,これに純白の白土を塗ってさまざまの意匠を作り出し,透明釉をかけて焼き上げたものが基本で,白化粧の上に鉄絵具で文様を描く絵三島,白化粧を搔き落して文様をあらわした彫三島などがある。…

【李朝美術】より

…前期を太祖元年から仁祖末年(1392‐1649),中期を孝宗元年から英祖27年(1650‐1751),後期を英祖28年から高宗20年(1752‐1883)とする説が有力である。前期には良質な白磁が生まれ,青花(染付)も現れ,粉青沙器(ふんせいしやき)(三島手(みしまで))が盛行した時期であるが,この期を代表するものは高麗象嵌青磁の流れをくむ粉青沙器である。これは白土で器面を化粧する技法と施文法に特徴があり,日本では三島手とよばれ,彫三島(ほりみしま),刷毛(はけ)目,彫刷毛目,絵刷毛目,粉引(こひき)などと分類されている。…

※「粉青沙器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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