元銭(読み)もとせん

精選版 日本国語大辞典 「元銭」の意味・読み・例文・類語

もと‐せん【元銭・本銭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. もときん(元金)
    1. [初出の実例]「本銭に利分を添て返さん」(出典:日蓮遺文‐一谷入道御書(1275))
  3. もときん(元金)
    1. [初出の実例]「地獄の銭といふものは、〈略〉只だ見せさへすれば宜いのだぞ〈略〉決して元銭(モトセン)を渡しては成らん」(出典:落語・地獄学校(1900)〈初代三遊亭金馬〉)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「元銭」の解説

元銭
げんせん

中国元朝によって鋳造された銅銭総称。至大通宝・至正通宝など数種がある。元寇以来,日元間には政治的緊張が続いたが,貿易は盛んに行われ,これにともなって元銭も日本に流入して国内通貨として用いられた。ただし,元は主として交鈔(こうしょう)(紙幣)の流通を推進し,銅銭の鋳造がもともと少なかったため,日本における流通量もわずかであった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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