紅巾軍(読み)こうきんぐん(英語表記)Hong-jin-jun; Hungchin-chün

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紅巾軍」の意味・わかりやすい解説

紅巾軍
こうきんぐん
Hong-jin-jun; Hungchin-chün

中国,元末の宗教的農民反乱軍。白蓮・弥勒教徒が農民蜂起にあたり,紅色の頭巾をつけて同志標識としたために起った名称で,紅巾の賊ともいう。河北省欒城 (らんじょう) 県の韓山童は白蓮会を組織して弥勒下生説を唱え,至正 11 (1351) 年元朝が黄河修復のため河南の民夫 15万を徴発したので,これを扇動して蜂起をはかった。そのとき紅巾軍の劉福通らは党首韓山童を失ったが,河南,安徽を占拠し,遺児の韓林児を迎えて小明王と称し,宋国を樹立湖北徐寿輝,安徽の郭子興朱元璋 (→洪武帝 ) らも多くこれに呼応し,紅巾軍の最盛期を迎えた。しかし,やがて内訌のため分裂して流賊化し,そのなかで朱元璋のみが巧みに天下を統一し,紅巾軍と絶縁して明朝を樹立。

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世界大百科事典(旧版)内の紅巾軍の言及

【徐寿輝】より

…湖北省羅田の人。綿布の行商人であったが,1351年(至正11)麻城の鄒普勝らと反乱を起こし,紅巾軍を名のった。蘄水(きすい)(湖北省)をおとしいれると,推されて皇帝となり,国号を天完と定め,治平と建元した。…

※「紅巾軍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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