紅河ハニ棚田群の文化的景観(読み)こうがハニたなだぐんのぶんかてきけいかん

世界遺産詳解 の解説

こうがハニたなだぐんのぶんかてきけいかん【紅河ハニ棚田群の文化的景観】

2013年に登録された世界遺産(文化遺産)。中国の雲南省南部、哀牢(アイラオ)山から紅(ホン)河のほとりにかけての急傾斜に広がる166km2棚田群。ハニ族は、約1300年もの間、樹木に覆われた山頂から棚田に水を供給する水路を維持してきた。彼らは、水牛・牛・アヒル・魚・ウナギなどの動物を統合的に活用する高度な農業のシステムを構築し、棚田の主要穀物である赤米を生産し続けてきた。ハニ族は、太陽や月・山・川・森、そして火をも含めた自然現象を崇拝する文化を継承し、山頂と棚田の間にある82の村落に暮らし、キノコ形の特徴のある家屋に住んでいる。棚田の地力を保つ巧みな土地管理術は、人と環境との調和を図ってきた知恵の賜物であり、生態学的な価値の高さのみならず、この地の景観を素晴らしいものにしている。◇英名はCultural Landscape of Honghe Hani Rice Terraces

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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