…古代律令制下における中央政府の一機構で,図書寮(ずしよりよう)に付属する紙すき所。紙屋ともいう。紙すきの技術者である造紙手(《養老令》では4人)と,その下で働く紙戸(紙すきのために人を出す戸で,山背国の50戸。…
…地方からの中男作物(17~20歳の男子が郷土の産物を作って納める)には,紙が数多く取り上げられている。中央の役所や大寺院に供給する紙を漉き,地方の技術指導にも役を果たしていたのが,図書寮紙屋院に代表される官営の工房であった。紙漉きの忙しくなる冬季(10~3月)には,この紙屋に紙戸と呼ばれる近郊の貧しい農民が大勢手伝いに出ることになっていた。…
※「紙屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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