改訂新版 世界大百科事典 「紫外線検出器」の意味・わかりやすい解説
紫外線検出器 (しがいせんけんしゅつき)
ultraviolet detector
光検出器の中でも10~380nmの波長領域に感度をもつ光電検出器をいう。光子エネルギーが大きいため金属光電面をもつ外部光子効果型検出器をはじめ,サリチル酸ソーダなどの紫外-可視変換蛍光体を前面にもつ光電子増倍管がよく用いられる。とくに200nmより短波長側は極紫外域と呼ばれ,なかでも120nmから短波長側では特徴のある種々の検出器が用いられる。例えば連続構造の半導体二次電子面をもつストリップ型の窓なし光電子増倍管や,封入ガスの光電離を用いた電離型検出器がある。前者には二次電子面として金属酸化物,鉛ガラス,セラミックスなどが用いられるが,光電面として金属光電面のほか二次電子面と同じ材料を使っている。構造的には平板二次電子面をもつストリップ型,パイプ状のチャンネルトロンやそれを束にして切断した形のマイクロチャンネルプレートなどがある。後者には代表的なものとして電離箱やガスカウンターがある。強度の絶対測定には熱電対やボロメーターが使われるが,短波長側では種々の制約が現れる。
→光検出器
執筆者:南 茂夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報