朝日日本歴史人物事典 「細川興文」の解説
細川興文
生年:享保8.9.13(1723.10.11)
江戸中期の肥後(熊本県)宇土藩6代藩主。号は月翁,蕉夢庵主人。4代藩主興生の3男で家老井門氏の養子となる。兄興里の急逝により家督相続。財政窮乏にあえいだ藩財政を再建,藩校温知館を設けて士風刷新に努めた。多趣味の人で,茶道の奥義をきわめ,茶書『平置諸品集』を著し,自ら設計して山荘蕉夢庵を建てたが,その屋根には自らをなぞらえた大きなワクド(蛙)の置物を置いたばかりか,蛙の花押を用いるなど,相当茶目気があった。また月翁と称してこよなく月を愛した。俳句,詩文集『桂源遺稿』がある。
(松本寿三郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報