朝日日本歴史人物事典 「細谷十太夫」の解説
細谷十太夫
生年:弘化2(1845)
幕末維新期の仙台藩士。からす組の首領。家禄50石。のち小姓頭に抜擢,加増により250石。諱は直英。武一郎とも称す。幼にして両親を失うが,性豪毅不屈,剣槍弓銃の技に長じる。明治1(1868)年官軍の奥羽征討に対し,普請方より遊撃隊に転じ白河城攻防に奮戦し,自ら衝撃隊を組織,士分以外の強壮無頼の者を糾合し縦横の活躍をする。暗夜に黒装束を着て敵陣を攪乱し畏怖せしめ,別名からす組と称す。仙台藩の降伏に伴い,家禄没収蟄居を命ぜられるや脱走,身を変じて鴉仙と号し城下竜雲院に入る。明治5年恩赦後,開拓使権少主典に任じ北海道に赴く。
(早乙女貢)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報