細谷十太夫(読み)ほそがや・じゅうだゆう

朝日日本歴史人物事典 「細谷十太夫」の解説

細谷十太夫

没年:明治40(1907.5.6)
生年弘化2(1845)
幕末維新期の仙台藩士。からす組の首領。家禄50石。のち小姓頭に抜擢,加増により250石。諱は直英。武一郎とも称す。幼にして両親を失うが,性豪毅不屈,剣槍弓銃の技に長じる。明治1(1868)年官軍の奥羽征討に対し,普請方より遊撃隊に転じ白河城攻防に奮戦し,自ら衝撃隊を組織,士分以外の強壮無頼の者を糾合し縦横の活躍をする。暗夜に黒装束を着て敵陣を攪乱し畏怖せしめ,別名からす組と称す。仙台藩の降伏に伴い,家禄没収蟄居を命ぜられるや脱走,身を変じて鴉仙と号し城下竜雲院に入る。明治5年恩赦後,開拓使権少主典に任じ北海道に赴く。

(早乙女貢)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「細谷十太夫」の解説

細谷十太夫 ほそや-じゅうだゆう

1845-1907 幕末の武士
弘化(こうか)2年生まれ。陸奥(むつ)仙台藩士。戊辰(ぼしん)戦争猟師博徒に黒ずくめの服装をさせた衝撃隊を組織し活躍,新政府軍に「からす組」とおそれられた。維新後,北海道の開拓など士族授産事業にかかわる。晩年仏門にはいった。明治40年5月6日死去。63歳。名は直英。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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