組織人(読み)そしきじん(英語表記)organization man

翻訳|organization man

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「組織人」の意味・わかりやすい解説

組織人
そしきじん
organization man

アメリカの産業社会学者 W.F.ホワイトの用語。彼によれば,組織に「忠誠を誓う」人々をさし,全人的に組織に献身する現代社会における新しい人間類型である。組織人は組織への服従恩寵と感じているが,それは彼らが集団倫理といわれる独特のイデオロギーに導かれているからである。ホワイトはそれを,(1) 集団を個人に優越せしめ,これをあらゆる創造源泉とみなす思想,(2) 集団への帰属願望を,人間の最も根源的な希求と考える哲学の存在,(3) 人間科学に寄せる絶大な信仰とその適用によって組織と個人との相克のすべてが解決されるという妄想,の3つの柱によると考える。

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世界大百科事典(旧版)内の組織人の言及

【政治技術】より

… ところで,一般に,集合的利益が実現されるためには,特定の人間によってそれが発見され,追求されなければならない。そのためのイニシアティブ,リーダーシップを担う人間を組織人organizerあるいは政治的事業家political entrepreneurと呼ぶ。彼らは,政治のために生きる篤志家であることもあれば,政治によって生きる職業的政治家であることもある。…

※「組織人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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