組織的大衆(読み)そしきてきたいしゅう(英語表記)organized mass

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「組織的大衆」の意味・わかりやすい解説

組織的大衆
そしきてきたいしゅう
organized mass

自律的な組織に結集した大衆。大衆とは一般に明確な組織をもたない無定形な非組織的社会集団と考えられるが,現代資本主義社会における大衆は,その内部にもつ社会改革のエネルギー大衆運動契機として組織化していく。支配階級あるいはパワー・エリート層に対する大衆は,原則的には特定イデオロギー信条によって拘束されることなく,共通の要求と目標をもつことによってのみ自主的な組織をつくるのであり,組織綱領などをもつ政党や団体の構成員とは区別される。地域社会での住民運動などに結集する大衆のように,下から形成される組織的大衆のほか,ファシズムや政府の教化政策にみられるような,上から意図的に大衆を操作することによってつくり上げられる組織的大衆もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android