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経済心理学 けいざいしんりがく economic psychology

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知恵蔵2015の解説

経済心理学

伝統的経済学は完全合理性を備えたホモ・エコノミクス(経済人)を仮定してきた。しかし実際の経済主体不確実性不完全情報に直面して合理性の基準から逸脱する。他方で人間の合理性の破綻には一定の法則性が見られる。こうした経済行動の心理学的側面を研究してきたのが米国のアモス・トバスキーとダニエルカーネマンである。彼らはホモ・エコノミクスの仮定に代えてヒューリスティクス(簡便法)を基本原理に提唱した。例えば「代表性仮説」とは、確率法則より主観的情報を過大評価する傾向を表す。コインの表が5回出ると次も表と思いこんでしまうといったこと。「入手容易さ仮説」は、物事を記憶や認知によらず思いつきやすさで判断する傾向を表す。例えば親しい友人のいる国の人口数を過大評価する。また「係留効果」とは、問題設定の出発点に引きずられる傾向を表す。富士山は標高1万mより高いか低いかと質問された場合、実際の標高を過大評価する。こうした経済行動の心理学的側面を経済分析に応用する経済心理学あるいは行動経済学は、近年ゲーム理論ファイナンスの分野でも発展している。

(依田高典 京都大学大学院経済学研究科教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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