結城氏新法度

山川 日本史小辞典 改訂新版

結城氏新法度
ゆうきししんはっと

「結城家法度」とも。1556年(弘治2)11月25日，下総国結城城主の結城政勝(まさかつ)の名により制定された家法。前文と104カ条の法度本文，制定奥書と2カ条の追加，家臣連署の請文からなる。前文によれば，家中の統制を目的に制定されたものという。しかし条文中に立法趣旨や立法過程についてふれた箇所があり，重臣への諮問をへて制定されたことが明記されていることから，結城氏と家臣の間で取り交わされた協約といえる。結城氏の領国は，結城領・結城支城領・有力国人領など，性格の異なる領域からなっていたが，この法度は結城領について適用するため制定されたとみられる。「日本思想大系」所収。

出典　山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」

世界大百科事典（旧版）内の結城氏新法度の言及

【結城家法度】より

…1巻。前文に〈新法度〉の文言があるので《結城氏新法度》とも呼ばれる。原本は太平洋戦争の戦火で焼失したため，東京大学史料編纂所影写本松平基則氏所蔵文書所収の写し以外に見ることはできない。…

※「結城氏新法度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」