果実のついている枝をいい,どのような枝が結果枝になるかは,果樹の種類によって異なっている。モモ,スモモ,ウメ,アンズ,オウトウなどでは,春になって伸長した枝の葉腋(ようえき)に花芽が形成され,翌春にこの花芽が開くと,その位置で花だけが咲き,果実になる。したがって,これらの種類では前年の春に伸長した枝が結果枝となる。これに対して,カキやクリでは,春に伸長した枝の先端の方の2~3の葉腋に花芽が形成され,翌春にこの花芽が開くと,まず枝が伸び,この枝の葉腋に花が咲く。したがって,これらはその年の春に伸長した枝が結果枝となる。また,リンゴやナシなどでは,前年の春に伸長した枝の上の葉芽(開くと葉と枝を生ずる芽で,花芽よりも細い)がその年わずかに伸長して,枝の先端に花芽が形成される場合が多い。翌春この花芽が開くと,枝がわずかに伸びて,その先端に数個の花が咲く。したがって,リンゴやナシでもカキやクリと同様,その年の春に伸長した枝が結果枝となるが,結果枝が短いので,前々年の枝が結果枝のようにみえる。このような結果の習性を知らないと,剪定(せんてい)や整枝を行うことができない。例えばカキ,クリなど枝の先端の方に花芽をつける種類では,枝の先端を切りつめてしまうと春になっても花がつかず,果実を収穫できない。
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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