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剪定 せんてい

盆栽用語集の解説

剪定

盆栽の枝や葉、幹を切り整えること。大変に重要な作業で、主に次のような目的を持つ。
樹形の基礎(枝骨)を作る
●完成木の維持
徒長を抑制し、樹勢の均一をはかる
枝葉の密生を避け、発芽を促す
●樹冠内や枝のフトコロへの日照不足を防ぎ、通風を良くして病害虫の発生を防ぐ
●大きい樹を小さく作り変える
これらの意味で定を毎年繰り返すことによって、締まった(小さく作り込まれた)盆栽が出来上がる。(=【枝抜き】)

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デジタル大辞泉の解説

せん‐てい【×剪定】

[名](スル)樹木の生育や結実を調整したり、樹形を整えたりするため、枝の一部を切り取ること。「庭木を剪定する」 春》「―の長き枝屑いま落ちぬ/青畝

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百科事典マイペディアの解説

剪定【せんてい】

果樹,チャ,クワ庭木などを栽培目的に沿って,枝の刈込みをして樹形を整えたり,摘心(新梢の先端を摘みとる),摘芽摘果,断根などをすること。狭義には枝梢を切ることをいい,樹形を整えることは整枝と呼ぶ。

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世界大百科事典 第2版の解説

せんてい【剪定 pruning】

植物,おもに樹木を望ましい形にするために枝などを切ることをいう。果樹,造園樹木などでよく行われる。開花結実を調節し,収量を上げるために,枝を主体に形を整える剪定を整枝trainingといい,観賞価値を高めるように樹姿を整える剪定を整姿trimmingと称して区別する。剪定の目的は,(1)形を美しく整然と,またはある特定の形につくる,(2)生育を調節し,開花,結実を良好な状態にする,(3)古い枝を除くことにより新しい枝を発生させて若返らせる,(4)密生した枝,枯枝,病枝など生育の障害になる部分を除いて健全な状態にする,(5)徒長を抑え,風害寒害,病害などに対する抵抗力を強化する,(6)挿木に適当な枝を切り,生産用に供する,(7)移植に際して枝葉を切除することにより蒸散など水分消費を少なくして,活着をよくする,などが考えられる。

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大辞林 第三版の解説

せんてい【剪定】

( 名 ) スル
果樹の生育や結実を調節するため、枝の一部を切り取ること。 [季] 春。 《 -の長き枝屑いま落ちぬ /阿波野青畝 》
庭木などの形を整えること。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

剪定
せんてい
pruning

枝を切り,所期の目的に合うように樹形を整える作業。栽培操作と収穫に有利なようにするために,おもに果樹について行う形態剪定,生長を促し花芽の分化をはかるための刺激剪定,生長を抑制して早く成熟させるための抑圧剪定などがある。果樹,庭園樹などは,十分な管理を行わずに生育させておくと樹の姿が自然型となり,果樹では果実の着果する位置が人手の届かない高いところとなったり,庭園樹では枝が込合い通風や光線の当り方が悪くなって樹型が乱れる。そのため枝を切り,樹型を整える必要が生じてくる。永年性木本作物では,きわめて重要な作業である。果樹では着果位置を樹全体に配置させるよう樹型を整えることにより,果実の生産が安定するほか,収穫作業も容易になる。また,庭園樹では庭全体のバランスをくずすことなく,観賞上の美観を高めるよう配慮することが必要である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

剪定
せんてい

花木、果樹、庭木などの生育、開花、樹形、着果促進のため全体の調和を図りつつ、健全に育てる目的で枝を切ることをいう。また樹形を整える作業も含むことから、剪定と整枝は表裏一体であるため区別しないこともある。
 剪定は主として果樹や花木では重要な管理作業で、とくに果樹では花芽の着生、果実の結実上欠かせないものである。むだ枝を取り除き樹枝や葉に受光量を増すくふうにより果実の増収を図り、また通風をよくすることで病害虫の発生や被害を少なくしたり、隔年結果を防ぐなどの効果がある。剪定することにより農薬散布、収穫などの管理の省力化にも役だっている。[堀 保男]

歴史

わが国で剪定技術が重要視されるようになったのは明治時代に入ってからで、果樹栽培の普及が大きな原動力となった。とくにヨーロッパからの果樹導入とともに開拓使に招かれた欧米人たちの技術の影響も大きかった。それ以前には庭木や盆栽などで整枝を含めた剪定技術として発達していたが、現在のように生産技術に結び付いたものではなかったといわれる。
 一方、ヨーロッパでは庭園の樹木の装飾的整枝の発達に伴って果樹についても一定の形に仕立てることが行われるようになり、剪定技術が生まれたといわれる。とくに樹形を幾何学的に仕立てることによって観賞価値を高めることとあわせて収穫も楽しむことが17世紀ごろから始まったとされる。[堀 保男]

剪定の時期・方法

樹木の種類(落葉樹、常緑樹、つる性植物)や仕立て方(形)、養成木・完成木別によって多少異なるが、一般的には果樹、花木、庭木に大別し、その目的により時期、方法を定める。
(1)果樹 樹冠全体に日当りをよくし枝葉の充実と、果実の増収、品質向上、隔年結果を防止するために行うもので、程度により、基部より数芽を残して切る強剪定と、先端部のみを切り詰める弱剪定に分けられる。
(2)花木 花をよく咲かせるための剪定なので、強剪定はできないものが多い。主として春から初夏に咲く一季咲き性のものは花後に、四季咲き性のものは整枝を兼ねて弱剪定とする。
(3)庭木 仕立ての完成した樹木では、整枝を主体とした弱剪定で樹形の維持を行うが、荒木(未完成木)から仕立てる樹勢旺盛(おうせい)なものは強剪定によることが多い。[堀 保男]
時期
冬の休眠期に実施する冬期剪定と、生育期間中の初夏に行う夏期剪定に大別できる。冬期剪定は、落葉直後から早春の樹液が流動する前に行う。また常緑樹では厳冬期を避けて2月下旬から3月中旬にかけて行ったほうがよい場合もある。なお落葉樹でも樹液の流動開始の早いカエデ類では早春がよいものもある。夏期剪定は、梅雨前後の時期に幹や不要部分からの徒長枝、ひこばえ(やご)などを除去するもので、主として骨組枝の成長を妨げるものを切り取る。[堀 保男]
方法
枝切り剪定としては、枝の出た基部から切り取り、余分な枝をつくらずに枝を充実させる間引き剪定と、強く伸びた枝は頂部優勢といって下のほうから芽が出にくくなるので、数芽残して途中から切って短くする切り返しの剪定方法がある。[堀 保男]

剪定上の留意点

(1)枝の出し方。養成木では将来の樹形を決定することになるので、観賞木のように幹や小枝の美しさを求めるものは一度に小枝を多く出し、花木では2~5本を出したほうがよいものもある。また果樹では柵(さく)仕立て、開心自然形、変則主幹形仕立てなどがあり、それぞれ枝の出し方に特徴がある。
(2)剪定が必要な枝。樹種や整枝目的により差はあるが、一般的に剪定を必要とする枝には徒長枝、こみ枝(ふところ枝)、幹吹き枝(胴吹き枝)、ひこばえ(やご)、逆さ枝、平行枝、車枝、かんぬき枝などがある。
(3)剪定用具。枝の太さや整枝の方法により使い分ける必要があるが、普通使用されている用具としては、剪定鋏(ばさみ)、木鋏、高枝切り、鋸(のこぎり)などのほか、付属具として脚立(きゃたつ)、梯子(はしご)、踏み台、誘引縄、支柱材などがある。[堀 保男]

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世界大百科事典内の剪定の言及

【園芸】より

…宿根草は株分けや挿芽などで繁殖させ,適時に植え付ける。樹木類は挿木,接木,取木などで苗木をつくって,鉢植えや庭木用として栽培するが,成品となるまでは年月を要し,その目的によって,剪定(せんてい),誘引,摘心,断根,植替えなどの技術を駆使しなければならない。(1)繁殖 花卉や野菜では種子をまいて育てる場合と,株分苗や球根の植付け,挿芽苗,挿木苗,取木苗から育苗する場合がある。…

※「剪定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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