絶対運動(読み)ぜったいうんどう(その他表記)absolute motion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絶対運動」の意味・わかりやすい解説

絶対運動
ぜったいうんどう
absolute motion

絶対空間座標で記述した運動。歴史的な概念である。現在では相対性理論によって互いに等速度運動をするすべての慣性系は同等で,それらのうちのどれかが特別な意味をもつことはないから,絶対運動の概念は否定されている。しかし宇宙物理学では,宇宙背景放射全体として静止しているとみなされる座標系での銀河などの運動を,絶対運動と呼ぶことがある。

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世界大百科事典(旧版)内の絶対運動の言及

【運動】より

…この種類の力として日常経験されるものに,回転している系で働く遠心力,さらに回転系で運動しているときに働くコリオリの力などがある。
【絶対運動の否定と相対論的運動方程式】
 ニュートンの運動方程式はどの慣性系でも同じ形でなりたち(ガリレイの相対性原理),慣性系どうしの間はガリレイ変換で結ばれている。すなわち(1)~(3)式はガリレイ変換に対して不変である。…

※「絶対運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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