継目・続目(読み)つぎめ

精選版 日本国語大辞典 「継目・続目」の意味・読み・例文・類語

つぎ‐め【継目・続目】

〘名〙 空間的、または時間的に連続する二つのものの、互いに接している部分。
① 物理的、空間的な接合の部分。物と物とがつなぎ合わせてある所。
※枕(10C終)二三「御硯の墨すれと仰せらるるに、目はそらにて、ただおはしますをのみ見たてまつれば、ほとどつぎめもはなちつべし」
明暗(1916)〈夏目漱石〉四七「幕がふわふわ動いて、継目(ツギメ)の少し切れた間から」
② 骨と骨とが互いに運動できるように連結している部分。関節。
※大智度論天安二年点(858)八九「六は骨の際(ツキメ)鈎の鎖(くさ)れるが如し」
※夢十夜(1908)〈夏目漱石〉第二夜「膝の接目(ツギメ)が急に痛くなった」
③ 先行した物事が終了して、新たに他が引き継ぐ区切りとなる時。時代の転換期。
愚管抄(1220)三「顕宗・仁賢は仁徳と宇治太子との例をおぼしめしてめでたけれどまた程なし。これをはかりみるに、一期一段のおとろふるつぎめにこそ」
※米沢本沙石集(1283)一〇本「平家ほろびて後、源氏の世になりしつきめに」
代々受け継がれる家督・位または役職などが、ある人から他の人に交替すること。また、その時。相続。
※愚管抄(1220)三「これはみな王法のおとろふるうへに又おこしたつるつぎめつぎめに、やうかはりてめづらしくて」
歌舞伎独道中五十三駅(1827)序幕「二品の宝出ぬ時は、家の継ぎ目も叶はぬゆゑ」
銚子(ちょうし)などの中の酒が空になって、さらに追加すること。お代わり。酒がなくなって追加を必要とする状態にも、また、新しく持って来た酒にもいう。
浮世草子・俗つれづれ(1695)一「銚子の次目(ツギメ)今一つとすすむ」

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