ヤスコともいう。生児が外出をするとき、いまでは宮参りの際が多いが、魔除(まよ)けのしるしとして額に鍋(なべ)墨をつける。これがヤスコで、江戸時代にすでに行われていた。高貴の家では阿也都古(あやつこ)とよんで犬の字を書いたことが、すでに康和(こうわ)年間(1099~1104)の公家(くげ)の日記にみえている。犬という漢字を使うのはごく一部の人で、一般には鍋墨で×字を記したり、単に「ゝ」をつけたにすぎなかったようで、現在でもこの風が残っている所がある。初宮参りの帰途、立ち寄った家で、クライボシといって男ならば墨、女ならば紅でしるしをつけてくれる地方もあり、生児ではないが祭礼に参加する子供の額にもこのヤスコがみられる。すなわち、嬰児(えいじ)の場合は家の神である火の神の、祭礼のときは祭神の管理下にあることを表すしるしであった。また、子供が夏の水遊びに出かけるときなどは、荒神様(火の神)を拝ませ、そのしるしとして墨をつけてやることも、同じ意味で水の神にとられないよう、つまり水難を免れるためだったのである。
[丸山久子]
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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