綾部井堰(読み)あやべいぜき

日本歴史地名大系 「綾部井堰」の解説

綾部井堰
あやべいぜき

由良川を綾部郷の東方でせきとめて取水し、郷内の青野あおの村・本郷綾部村(町分)坪内つぼのうち村・井倉いのくら村および中筋なかすじ郷のおか村・のぶ村・大島おおしま村の灌漑用水としたものである。

井堰の起源については確たる史料に欠ける。井倉の八幡宮の社伝には、平重盛が灌漑の利を企て由良川(別名和知川)をせきとめようとしてならず、綾部郷に七社を奉斎して成功したという。また「丹波負笈録」は明智光秀の創設と伝える。

寛永年間(一六二四―四四)九鬼氏下市場しもいちばに居館を設けた際の古絵図(「綾部町史」所引)にはすでに水路が描かれており、由良川からの取水路付近には上溝かみみぞくち・下溝ノ口という地名が記され、現在もその名が残っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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