中華人民共和国の労働組合の全国的組織で,正式名称は中華全国総工会。〈全総〉と略称する。近代的労働者階級が中国に登場してくるのは第1次世界大戦後であるが,五・四運動への参加を通してしだいに労働運動も盛りあがってきた。1921年の中国共産党の成立により労働者階級の組織化も一段とすすんだ。25年5月の広州における第2回全国労働大会で総工会は正式に成立し,労農同盟による反帝・反封建闘争の推進をその任務とした。五・三〇事件等において総工会は強力な政治闘争を展開したが,27年7月国民党政府のもとで非合法活動を余儀なくされた。48年8月,ハルビンでの第6回全国労働大会で組織を復活した。49年11月に団体加入していた中国労働協会が組織を解消したため,全総が中国の労働組合を統一する唯一の組織となった。他の大衆団体と同じく文化大革命の期間中はその活動を停止していたが,78年に活動を再開し,同年10月中国労働組合第9回全国代表大会(第7回以降〈全国労働大会〉を改称)を開催して,新しい中国労働組合規約を採択した。現在,17の産業別労働組合および行政単位ごとの地域別労働組合により構成され,末端組織は約37万6000を数える。49年の建国当時246万であった会員が6100万に増加し,そのうち女性が3分の1を占める。
執筆者:田中 信行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…二・七事件としても知られる。1923年2月1日,当時中国最大の鉄道だった京漢鉄道(北京~漢口間)の労働者が総工会結成の大会を鄭州で挙行した。同鉄道を支配する直隷軍閥の呉佩孚(ごはいふ)はこの大会を武力で解散させ,2月4日以来全線で抗議のストライキに突入したのに対し,2月7日,軍隊を出動させて大弾圧を加えた。…
※「総工会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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