中華人民共和国の労働組合の全国組織。その歴史は古く、1925年5月に五・三〇事件による労働組合(工会)運動の高揚のなかで広州で開かれた第2回全国労働大会で中国共産党の影響下に結成された。こうして中華全国総工会は中国労働運動の最高指導機関となり、中国革命の担い手の一つとなったが、まもなく国民党政府によって非合法化された。しかし、この間、地下活動に積極的に従事し、1948年8月、ハルビンで開かれた第6回全国労働大会で復活し、新中国の成立に貢献した。中華人民共和国のもとでは、世界労働組合連盟(世界労連)の主要メンバーとして、また社会主義建設の推進を目ざして活動したが、劉少奇(りゅうしょうき)らいわゆる実権派の勢力基盤でもあったため、1966年以来の文化大革命では、解体状態に追い込まれた。1974年にようやく再建されたが、国有企業の不振もあって、問題も多い。加盟単位組合数282万9000、組合員数約3億0200万人(2016)。
[中嶋嶺雄 2019年4月16日]
『日本労働協会編・刊『中国の労働事情』(1987)』▽『千嶋明著『中国の労働団体と労使関係――工会の組織と機能』(2003・社会経済生産性本部生産性労働情報センター)』
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…五・四運動につぐ反帝運動の第2のピークである。1923年の二・七京漢鉄道ストライキの敗北からしだいに立ちなおった中国の労働運動は,25年2月の上海・青島(チンタオ)の日本在華紡でのスト,5月の広州での中華全国総工会の成立にみられるように,かなりの地歩をかためるにいたった。5月,上海在華紡のいざこざから労働者顧正紅が殺され,その追悼会で学生3人が逮捕された。…
…中華人民共和国の労働組合の全国的組織で,正式名称は中華全国総工会。〈全総〉と略称する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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