総見寺(読み)そうけんじ

日本歴史地名大系 「総見寺」の解説

総見寺
そうけんじ

[現在地名]中区大須三丁目

景陽山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊薬師如来。惣見寺と書く書物もある(尾張名陽)。もと伊勢国大島おおしま(現三重県三重郡)にあった安国あんこく寺を、織田信雄が父信長菩提のため清須の北市場きよすのきたいちばへ移し、忠嶽を住職に迎えた。総見寺は信長の法号にちなむ。忠嶽は安国寺を開いた虎関を開山に据え、自身は二世の座についた(尾張名所図会)。慶長一五年(一六一〇)名古屋に移転し、法系の関係で改めて忠嶽を開山とした(寺社志)。寛永七年(一六三〇)焼失したが、藩主徳川義直は貨財を下賜、付家老成瀬正虎に命じて再建に当たらせた(尾張名所図会)。九千四一六坪の境内は除地。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報