繻子鬢(読み)シュスビン

デジタル大辞泉 「繻子鬢」の意味・読み・例文・類語

しゅす‐びん【×繻子×鬢】

江戸時代毛筋を透かさないでなでつけた、繻子のようにつやのある鬢。
《繻子の頭巾ずきんをかぶっていたところから》江戸時代、比丘尼びくにの姿をした売春婦

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「繻子鬢」の意味・読み・例文・類語

しゅす‐びん【繻子鬢】

〘名〙
① 江戸時代、繻子のように黒くつややかになでつけた男性の鬢のこと。
浮世草子・風流比翼鳥(1707)二「風流成男二人、ついのしゅすびんあつからずうすからず」
② 江戸時代、安永一七七二‐八一)頃流行した女性の髪形。きゃらで艷を出し、繻子のように光らせた鬢。
随筆・嬉遊笑覧(1830)一下「灯籠びんは両鬢を張出し毛筋を透したる也。しゅすびんは毛筋をすかさぬなり」
③ 江戸時代、比丘尼(びくに)とも呼ばれた一種の売春婦。繻子の頭巾をかぶっていたところからいう。
※随筆・用捨箱(1841)中「わたつみを呼にやらうか、しゅすびんを招かう歟」

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