六訂版 家庭医学大全科 「羊水過少」の解説
羊水過少
ようすいかしょう
Oligohydramnios
(女性の病気と妊娠・出産)
どんな病気か
羊水量が非常に少なくなった状態で、明確な定義ではありませんが、一般に羊水量が100mlを下回る場合を羊水過少としています。羊水過少は胎児の発育や健康状態の悪化と関連があり、さらに長期間の羊水過少が続くと児の生命予後を左右する
原因は何か
羊水量は通常は胎児が
診断と治療
超音波検査により羊水ポケット(子宮内壁と胎児の間で、最も遠い距離)が2㎝未満であること、または羊水インデックス(妊婦のお腹を4つの領域に分け、各領域で最も羊水の量が多いところの合計値:AFI)が5㎝未満の時は羊水過少と診断します。
羊水過少の原因となる先天異常がないかについて、超音波で検索することが重要ですが、羊水量が少ないと超音波検査で胎児を観察することが困難になるため、羊水の代用液を子宮内に注入してから検査が行われることもあります。
管理の方法
原因と妊娠時期により、管理法は大きく異なります。妊娠後期に発生した場合には、胎児の健康状態に問題がある可能性があるため、連続胎児心拍モニタリングなどにより胎児の状態を十分に検索し、分娩時期・方法の決定がなされます。
妊娠のかなり早い時期から、羊水過少が認められる場合には胎児の先天異常を伴っていることが多く、一般的には予後不良ですが、異常の種類によっては胎児手術により救命されることもあります。
前期破水をした症例では、
上妻 志郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報