羽束師森(読み)はつかしのもり

精選版 日本国語大辞典 「羽束師森」の意味・読み・例文・類語

はつかし‐の‐もり【羽束師森】

山城国乙訓郡羽束師(はつかし)にある森。謡曲などで、しばしば、「恥ずかし」にかけて用いられる。現在の京都市伏見区羽束師志水町の羽束師神社の森。歌枕
※二度本金葉(1124‐25)雑上「家の風吹かぬものゆゑはづかしのもりのことの葉ちらし果つる〈藤原顕輔〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本歴史地名大系 「羽束師森」の解説

羽束師森
はつかしのもり

羽束師神社の森で、歌枕として「五代集歌枕」「和歌初学抄」「八雲御抄」にあげられ、「初学抄」は「ハヅルコトニ」と注する。

<資料は省略されています>

謡曲の「蘆刈」に「さればかほどに衰へて、身を羽束師の森なれども、言葉の花こそたよりなれ」、「関寺小町」には「羽束師の森の、はづかしの森の、木隠れもよもあらじ。暇申して帰るとて、杖に縋りてよろよろと、元の藁屋に帰りけり。百年の姥と聞こえしは、小町が果ての名なりけり」とうたわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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