小町(読み)コマチ

デジタル大辞泉 「小町」の意味・読み・例文・類語

こまち【小町】

小野小町おののこまちのこと。

美人だったというところから》評判の美しい娘。小町娘。多く、その女性の住んでいる土地の名をつけてよぶ。
能面の一。老女の面。
[類語]美人佳人美女麗人別嬪シャン名花マドンナ色女大和撫子美少女美形美姫びき尤物解語の花傾城傾国

こまち[列車]

秋田新幹線で運行されている特別急行列車愛称。平成9年(1997)運行開始。通常東京盛岡間は東北新幹線はやぶさ」と連結して走り、盛岡・秋田間は単独で走行する。

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精選版 日本国語大辞典 「小町」の意味・読み・例文・類語

こまち【小町】

  1. [ 1 ]
    1. [ 一 ]おののこまち(小野小町)
    2. [ 二 ] 謡曲卒都婆小町(そとばこまち)」の古名。〔三道(1423)〕
    3. [ 三 ] 謡曲「関寺小町」の古名。〔音曲声出口伝(1419)〕
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 小野小町が美人であったというところから ) きわめて美しい娘。美人。美女。小町娘。ふつう、その時代やその土地の名の下に付けて、それを代表する美人とする。「天明小町」「日本橋小町」など。〔歌謡・伊勢音頭二見真砂(歌謡集成本)(19C前)〕
      1. [初出の実例]「近所の若い男達は怪訝すると共に嫉んだ。そして口々に『岡の小町が猿の処へ往く』と噂した」(出典:安井夫人(1914)〈森鴎外〉)
    2. こまちもの(小町物)」の略。
    3. 能面の一つ。老女の面。流儀によっては「関寺小町」のシテが専用する面。
    4. こまちざくら(小町桜)」の略。
      1. [初出の実例]「貴妃小町色を争ふいい御庭」(出典:雑俳・柳多留‐六二(1812))
    5. こまちいと(小町糸)」の略。
    6. こまちげた(小町下駄)」の略。
      1. [初出の実例]「二足計(ばかり)しだらなくぬぎすてたるこま下駄も、小町といふ好み」(出典:藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉二)

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日本歴史地名大系 「小町」の解説

小町
こまち

[現在地名]村上市小町

おお町から北へ二町一八間続く家並。中央の通称小町坂の上で直角に曲がり、坂下の庄内しようない町に接する。大町とともに最も早くできた町といわれる。文禄(一五九二―九六)頃の瀬波郡絵図にみえる「村上町」の中心にあたるか。寛永一二年(一六三五)の村上惣町並銘々軒付帳(本間喜千郎氏蔵)では家三四軒、うち二軒が水呑・小走であった。嘉永二年(一八四九)には七四軒となる(「年行事所日記」村上市蔵)。旅籠屋が多く宝暦一〇年(一七六〇)には一六軒があった(「小町軒付帳」小町区有文書)。元禄二年(一六八九)芭蕉が奥の細道行の途中村上に立寄り、「宿久左衛門同道ニテ瀬波ヘ行」と「曾良旅日記」にあり、この宿は当町の旅籠屋久左衛門とされる(「旅籠屋書上」渡辺満男氏蔵)

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「小町」の解説

小町
(通称)
こまち

歌舞伎浄瑠璃の外題。
元の外題
草紙洗小町
初演
享保3.11(大坂・嵐座)

小町
こまち

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
寛文3.1(江戸・古への都日向太夫芝居)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「小町」の解説

小町 (コマチ)

学名Notocactus scopa
植物。サボテン科園芸植物

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