聊爾(読み)リョウジ

デジタル大辞泉 「聊爾」の意味・読み・例文・類語

りょう‐じ〔レウ‐〕【××爾】

[名・形動ナリ]
いいかげんであること。考えのないこと。また、そのさま。
「国の安危、政の要須これより先なるはなし。これより誰か―に処せん」〈太平記・二四〉
ぶしつけで失礼なこと。また、そのさま。
「さて只今の山伏たちに―を申して」〈謡・安宅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「聊爾」の意味・読み・例文・類語

りょう‐じレウ‥【聊爾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 無思慮なこと。軽々しくいいかげんであること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「依何罪科、可禁獄哉。禁獄之詞、無下聊爾也」(出典:勧修寺家本永昌記裏文書‐(年月日未詳)(鎌倉)宇治河鱣請陳状)
  3. ぶしつけで失礼なこと。そそうなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「亭主のさる人にていみじうもてなしてことにふれつつ聊爾ならぬ人にはち道を執して」(出典:無名抄(1211頃))
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐戯書詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「聊爾」の読み・字形・画数・意味

【聊爾】りよう(れう)じ

しばらく。かりにする。宋・楊万里〔多稼亭前の黄菊〕詩 持して以て君子に壽(ことほ)ぐ 聊爾、(こしん)(独酌)を慰む

字通「聊」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android