職権探知(読み)しょっけんたんち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「職権探知」の意味・わかりやすい解説

職権探知
しょっけんたんち

(1) 民事訴訟では,当事者の意思態度にかかわらず,裁判所が判決 (または判断) の資料の収集を裁判所の職責とすること。通常の民事訴訟では弁論主義処分権主義原則であり,裁判権,専属管轄など公益に関する事項の判断については職権探知が行われる。しかし,職権審理主義のとられる人事訴訟破産手続では職権探知が原則である。

(2) 刑事訴訟では,現行法になってからは当事者主義前面に押出されてきており,事件の実体に関しては,当事者よりの証拠調べ請求に基づくのが原則であり,裁判所は必要と認めるときに,職権証拠調べをすることができるとされているので,職権探知は補充的である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android