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弁論主義 べんろんしゅぎ Verhandlungsmaxime

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

弁論主義
べんろんしゅぎ
Verhandlungsmaxime

(1) 民事訴訟法において,判決の基礎となる事実の収集は当事者の権能かつ責任であるとする主義。職権探知主義に対するもの。それは次のように要約することができる。すなわち,裁判所は,(a) 当事者の主張しない事実を判決の基礎にしてはならない,(b) 当事者間に争いのない事実はそのまま判決の基礎にすることを要する,(c) 争いのある事実を認定するには当事者の申し出た証拠のみによる。

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デジタル大辞泉の解説

べんろん‐しゅぎ【弁論主義】

民事訴訟法上、訴訟の解決または審理の資料の収集を当事者の権能かつ責任であるとする主義。刑事訴訟法では当事者主義ともいう。

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百科事典マイペディアの解説

弁論主義【べんろんしゅぎ】

裁判の基礎となる事実についての資料の収集を当事者の権能かつ責任とする主義。これを裁判所の権能・責任とする職権探知主義に対する(職権主義)。当事者の弁論を通じて事案の解明をはかるもので,民事訴訟法上は基本原則をなし,広義には処分権主義を含む。
→関連項目釈明権民事訴訟

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世界大百科事典 第2版の解説

べんろんしゅぎ【弁論主義】

訴訟法,とくに民事訴訟法において,判決の基礎となる事実に関する資料の収集・提出は当事者の権能・責任であるとする原則。職権探知主義(判決の基礎となる事実資料を裁判所みずからが収集するという原則)に対する。広義では,訴訟の開始,判決対象の設定(民事訴訟法246条),判決によらない訴訟の終了(訴えの取下げ,和解など)を当事者の意思に任せる処分権主義をも含んで弁論主義と呼ぶこともある。 狭義の弁論主義は,その内容を細説して,(1)当事者の主張していない事実に基づいて判決をしてはならない,(2)両当事者間で一致した事実(すなわち,自白)については,裁判所はその真否を審理せずそのまま判決の基礎としなければならない,(3)証拠調べは当事者が申請したものを調べることができるだけである(職権証拠調べの禁止),と説かれる。

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大辞林 第三版の解説

べんろんしゅぎ【弁論主義】

訴訟法上、弁論のための訴訟資料の収集を当事者の権能かつ責任であるとする原則。 → 当事者主義

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

弁論主義
べんろんしゅぎ

訴訟法上、審判の基礎となる事実および証拠の収集を当事者の権能または責任に属させる主義。対概念は職権探知主義。民事訴訟では、基本原理とされ、裁判所は当事者の申し立てない事項については判決をすることができず(民事訴訟法246条)、当事者の主張した事実を相手方が争う場合に限って裁判所は証拠を調べる義務があり、裁判所において当事者が自白した事実はこれを証明することを必要としない(同法179条)。
 刑事訴訟でも弁論主義が基調とされ、検察官の裁量により起訴猶予を許す起訴便宜主義(刑事訴訟法248条)を採用し、起訴する場合にも、訴因の設定・変更は検察官が行う(同法256条、312条1項)。また、証拠調べの請求も当事者が行う(同法298条1項)。しかし、民事訴訟のようには弁論主義が徹底されておらず、公判廷における自白または有罪の自認があっても、それだけでは有罪とはされない(同法319条2項・3項)。また、裁判所による職権証拠調べ(同法298条2項)あるいは訴因変更命令(同法312条2項)が認められ、訴因についても証拠についても裁判所の職権発動が認められている。ただし、現行刑事訴訟法は、当事者主義を基本原理として採用しているとの理解が一般的であり、職権証拠調べあるいは訴因変更命令は例外的な制度であるとされている(通説・判例)。[田口守一]

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世界大百科事典内の弁論主義の言及

【職権主義】より

…裏返していえば,そのぶんだけ当事者主義的な訴訟構造が導入されたといいうる。(2)民事訴訟の場合 民事訴訟では,原則としてそこで解決が求められている紛争が私人間の自主的な解決にゆだねられていること(私的自治の原則)から,訴訟手続の開始,終了および訴訟対象の決定につき当事者が主導権をもっており(処分権主義),また訴訟資料の収集についても当事者の責任とされている(弁論主義)が,訴訟進行の面についてはそれが国家制度の運営であるという観点から職権で行われている。なお,この一般の民事訴訟においても,公益に関する事項(裁判権,専属管轄,除斥原因など)については当事者の主張なり申立てをまたずに職権でとりあげて判断すること(職権調査)が必要とされている。…

【訴訟当事者】より

… 当事者たることに伴う効果は,双方において平等である(当事者平等の原則)。処分権主義および弁論主義(訴訟資料の収集責任を当事者が負う立法主義)が原則である訴訟においては,当事者は,訴訟を終了せしめる各種の行為(訴えの取下げとその同意等)をなす権限を有し,かつ訴訟資料を提出しまたは提出しない自由,相手方の提出した訴訟資料を争いまたは争わない自由を有する。他方当事者は,訴訟追行の結果たる判決の効力を受け,敗訴の場合訴訟費用を負担する(民事訴訟法61条)。…

【当事者主義】より


[民事訴訟]
 民事訴訟は個人間の利害の調整,紛争の解決を目的とするので,そこでは当事者主義を基調にし,当事者にイニシアティブをとらせたほうがつごうがよいと考えられている。この当事者主義は,処分権主義,弁論主義,当事者進行主義に分けて説明される。(1)処分権主義とは,手続の開始,裁判の範囲の設定および手続の終了について,当事者に主導権(処分権)を認めるものである。…

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