職権証拠調べ(読み)しょっけんしょうこしらべ(その他表記)Heranziehung des Beweismittels von Amts wegen; Beweisaufnahme von Amts wegen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「職権証拠調べ」の意味・わかりやすい解説

職権証拠調べ
しょっけんしょうこしらべ
Heranziehung des Beweismittels von Amts wegen; Beweisaufnahme von Amts wegen

訴訟上当事者の申し出によらず裁判所が職権で行う証拠調べ弁論主義が妥当とされる通常の民事訴訟においては,職権証拠調べは認められていないが,夫婦,親子関係などに関する人事訴訟行政事件訴訟などについては職権探知主義が妥当とされるので,職権証拠調べをすることができる。行政事件訴訟では,弁論主義が原則であるが,訴訟の結果が公共福祉に影響するところが少くないため,裁判所が必要があると認めるときは,補充的に職権で証拠調べをすることができる。ただし,その結果については当事者の意見を聞かなければならない (行政事件訴訟法 24) 。刑事訴訟においても,職権主義に立っていた旧刑事訴訟法のもとでは職権による証拠調べが原則であったが,当事者主義をとる現行法は当事者の請求による証拠調べが原則であり,職権証拠調べは補充的に行われるにすぎない (298条) 。しかもそのための証拠決定の際には当事者の意見を聞かなければならないとされている (刑事訴訟規則 190条2項) 。

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